ファインケミカル事業

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リン系硬化促進剤の使い方

樹脂への添加方法

リン系硬化促進剤は、エポキシ樹脂系組成物の硬化促進剤として機能しますが、基本的には(一部を除き)、エポキシ樹脂のみを単独硬化させる能力はありません。
むしろ、リン系硬化促進剤としてトリアリールホスフィンを用いた場合、下式のようにエポキシはトリアリールホスフィンによって還元されてアリルエーテルとなり、そしてトリアリールホスフィンは酸化されてオキサイドとなり、硬化促進能力を失います。(アルキルホスフィンは、より酸化され易く、扱いにくい。)

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また、リン系硬化促進剤の多くは、エポキシ樹脂には溶解しにくいが、硬化剤には溶解しやすい性質を有しております。
このことから、「リン系硬化促進剤は、硬化剤に溶解あるいは分散させてからエポキシ樹脂を加える。」が基本的な使い方になります。

硬化促進剤の添加量

リン系硬化促進剤の一般的な添加量は、エポキシ樹脂に対して0.5~5phr (per hundred resin) 程度ですが、促進剤の種類や樹脂系、硬化温度及び所望の硬化速度により大きく異なります。

最後に(硬化促進剤の選び方)

弊社で扱っているリン系硬化促進剤の種類は、数十種類に及びます。
御社でご使用の場面、樹脂、ご所望の性能に即したリン系硬化促進剤をご評価いただくためにも、弊社担当者にこれら詳細をご連絡いただけましたら幸甚に存じます。
例えば、潜在性に優れたリン系硬化促進剤としては、TPP-MKをご評価いただくことが多いですが、エポキシ/DICY(ジシアンジアミド)硬化系ではTPTPのほうが好適であるなど、「目的に即したリン系硬化促進剤は、使用樹脂によりケースバイケース」となります。

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